従業員退職金準備に生命保険を活用してみよう!メリットとデメリットも徹底解説

退職金制度の主な種類

退職金制度の種類については「【徹底解説】退職金制度の種類まとめ」で解説させていただいておりますので、詳しく知りたい方はご覧下さい。
ここでは簡単に退職金制度の種類をお伝えした上で、生命保険を活用した退職金準備のメリットやデメリットを解説していきたいと思います。

退職金制度の種類としては、以下の4種類です。

  • 退職一時金
  • 中小企業退職金共済(中退共)
  • 企業型確定拠出年金(DC)
  • 確定給付企業年金

それぞれの簡単な解説は以下のようになっています。

退職一時金

従業員が退職をする場合に一定の金額を定期的に支給します。
支給期間は数年から終身まで様々で、支給額は勤続年数や最終的な給与額に応じて変わる場合があります。

中小企業退職金共済(中退共)

中小企業において、退職金制度を導入するための制度です。厚生労働省が中小企業者の退職金制度の導入・運営の支援を目的に、中小企業退職金共済機構を設立し、その加入者が共同で退職金基金を運用することにより、退職金を支給する制度です。

企業型確定拠出年金(DC)

従業員個人が自己責任で年金積立をする制度です。
退職時には積み立てた資産を一括で受け取ることができます。一定の税制優遇措置があるため、従業員にとっては節税効果も期待できます。

確定給付企業年金

企業が設立した退職金基金に加入し、退職後に支払われる一定の金額を受け取るものです。
支払い額は基金の運用成績によって変わる場合があります。企業が基金の運用を行うため、従業員が運用リスクを負うことはありません。

それぞれ、メリットデメリットがあるので「この方法がベスト!」と言うのはなかなか難しいところです。
今回は、上記のうちの「退職一時金」の積立方法として活用されている生命保険について触れていきたいと思います。

生命保険で退職金を準備するメリット

ここで生命保険を利用して退職金を準備することを紹介するからには、それなりのメリットがあるからです。
生命保険を活用して退職金の積立を行なった場合、様々な形で従業員様やそのご家族をお守りすることができます
これは、万が一に備えることができる保険商品だけにできることですね!

税制優遇

積立時の掛金や、給付時の保険金について法人税や所得税の優遇措置があるため、節税効果が期待できます。

受取方法の自由度が高い

保険会社によっても異なりますが、退職時の満期金の受取り方法を一括、確定年金、終身年金といったように自由に選択できます。これにより、従業員様の老後をより手厚くサポートすることができます。

確実な遺族保障

予期せぬ事故や病気などで亡くなった場合に、保険金が支払われる遺族保障の機能があります。退職金の積立だけではなく、万が一の際の遺族保障の仕組みも同時に作ることができます。

長期的な資産形成

積立型の保険商品であるため、長期的な視点で資産形成を行うことができます。また、投資信託を保険商品に組み込んだ商品もあり、リスクとリターンのバランスを適切に調整することができます。

確定利率の保証

保証利率が設定されており、積立期間中に設定された保証利率で運用されるため、将来的な運用成績が不安定な場合でも、保険金額には確定利率が保証されます。

払込困難時の対策が豊富

会社の状況によっては、保険料の払込みが困難になるケースも十分に考えれらます。そのような際にも生命保険であれば「解約」「減額」「払済保険」「延長定期保険」「契約者貸付」などの仕組みが活用できるので、想定外の状況にも柔軟に対応することができます。
(参考記事:保険料の支払いが厳しくなった時の使える5つの方法)

生命保険で退職金を準備するデメリット

生命保険で退職金を準備することには、たくさんのメリットがあることはご理解いただけたと思います。メリットがある一方で、もちろんデメリットもありますのでご紹介させていただきます。

解約時に損失が生じる場合がある

生命保険には、保険料を前払いして積立するため、契約期間中(満期前)に解約した場合には、掛金として支払った金額よりも解約した際に戻ってくるお金(解約返戻金)が少なくなる、いわゆる元本割れを起こす場合があります。

払込期間中の支払い継続が必要

生命保険は、長期にわたって支払いを継続する必要があります。途中で支払いを中断してしまうと、保障が受けられなくなる場合があります。また、支払いを再開する際には、過去の分も含めて一括で支払う必要がある場合があります。

投資によるリスクがある

生命保険には、投資信託を組み込んだ商品(変額保険など)もありますが、投資にはリスクが伴います。運用成績が不安定になると、保険金額が減少する場合があります(最低保証される商品もあります)。
また、積立期間中に相場が下落した場合、元本割れを起こす可能性があるため、投資によるリスクを十分に理解した上で選択する必要があります。

保険料が高額になる場合がある

生命保険は、保険金額や保障内容、積立期間、保障期間、加入年齢、性別などによって保険料が決まります。したがって、場合によっては保険料が高額になる場合があり、毎月・毎年の負担が大きくなってしまう場合があります。

従業員退職金の積立に最適な保険商品とは?

生命保険の種類は大きく分けると以下の3種類に集約されます。

  • 定期保険
  • 養老保険
  • 終身保険

保証期間が限定されているのが「定期保険」と「養老保険」で、保証期間が終身に及ぶのが「終身保険」です。
また、保険に支払った掛金が戻ってこない、いわゆる掛け捨てタイプの保険が「定期保険」であり、戻ってくる(戻ってくる金額は商品により異なる)タイプが「養老保険」「終身保険」です。

退職金準備にあたってのポイントは、

  • 従業員様が退職するタイミングで必要な資金が貯まっていること
  • 会社に在籍中の保障があれば良い

という点ですので、保証期間が限定されており、お金が貯まる「養老保険」が退職金積立をする上では適していると考えられます。
また、退職金準備に養老保険を用いることで税制面でのメリットも享受することができます。

(参考記事:経費を作れる!?生命保険を活用した従業員退職金の積立)
(参考記事:しっかり備えよう!生命保険を活用した役員退職金の積立)

まとめ

退職金準備のために生命保険を活用することは、資金を準備するというメインの部分の機能はもちろんのこと、万が一の時のご家族に対する保障の機能も備えています。
また、税制面でも一定の条件下であれば一部を経費として認められるなどのメリットもあります。
先の見えないこの世の中だからこそ「柔軟性」というのがとても重要です。ぜひ生命保険を活用した退職金準備という選択肢を検討してみてください。

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